1:映画を見よう−シェルブールの雨傘−

僕は、映画好きの父親の影響からか、子供の頃から映画館に連れて行ってもらっていました。
と言っても、東映まんがまつりやゴジラキングコングスターウォーズなんかの子供でも楽しめるようなものでしたけど。
その影響もあって、今の職業についたのかもしれません。

こちらでは、僕が今まで見た映画の中で、心に残ったものを紹介していきたいと思います。

 

シェルブールの雨傘

1964年のフランス・西ドイツ合作映画
脚本・監督:ジャック・ドゥミ
音楽:ミシェル・ルグラン
出演
ジュヌヴィエーヴ・エムリ:カトリーヌ・ドヌーヴ
ギイ・フーシェ:ニーノ・カステルヌオーヴォ


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勝手な感想

いやぁ、全てが美しい映画です。

カトリーヌ・ドヌーヴの美しさ、音楽の美しさ、映像の美しさ、全てが美しいとしか言えないです。
この映画は、全てのセリフが音楽に乗っています。レチタティーヴォと言われるそうです。

レチタティーヴォクラシック音楽の歌唱様式で、オペラ、オラトリオ、カンタータの中で用いられる。叙唱、朗唱と言われることもあります。
 

いわゆるミュージカル映画になるのですが、これが、映画を見ているうちに気にならなくなるんですよ。普通のセリフに聞こえて、感情も伝わってくるんです。セリフが歌になっているので、音楽の感情に引っ張られてしまうかもとも思ったのですが、実は、そうでもないのです。役者さんの感情が伝わるのです。これはすごいなぁって思いました。それと音楽の盛り上げですよ。相乗効果ですね。
とにかくセリフも含めて全編音楽なんですもの。ミュージカル映画といえど、このような形はあまり見た事がないですね。
映画というよりも歌劇を見ているような感じですね。

ミシェル・ルグランの音楽

ミシェル・ルグランの音楽が本当に素晴らしい。この映画の楽曲を一度は聴かれた事があるかと思います。それ程までに有名な曲なのですが、本当に美しくて、切なくて、心に残る音楽です。
この映画の中の音楽は、全て役者ではなく歌手による吹き替えなんて面白いですよね。

て事は、全部のセリフが吹きかえって事じゃん。だけど、全く違和感が無いです映像の美しさと出演者の表現力の凄さのなせる技ですよねぇ。そういえば確か、雨に唄えばも、女優さんの声を吹き替えるなんてエピソードありましたね。あれは、サイレントからトーキーに変わる頃の話でしたけどね。ちょっと話がそれました。

これだけの素晴らしい楽曲ですから、数多くの方が歌っています。日本の方もたくさんカバーされていますよ。

映像美

シェルブールの街並みが本当に美しく撮られています

僕は、当初、架空の街並みだと思っていました。普通の街並みがあんなに綺麗なわけないじゃ無いかと。それが違ったんですよねぇ。雨傘店(今は違うお店になっているみたいですが)まだ残っているみたいです。て事はロケなんですよ。それがあんなに綺麗になるんですから。

とにかく色が本当に綺麗です。さすがフランス映画と言えます。原色の差し色が画面を引き立てるのです。このセンスは、凄いですよね。なかなか日本人には無い感覚かもしれません

あらすじ(ネタバレ無し)

僕は基本的に映画を見ていただきたいので、ネタバレはしません。ご了承ください。
簡単に言えば、戦争で引き離された恋人同士の話です。このネタ、ありふれたネタだったりしますよね。戦争は人々を傷つける愚かな行為だと思います。戦争がなければ、この二人は別々の人生を歩むことはなかったのかもしれません。そういう人が沢山いたのでしょうね。親子、夫婦、恋人、友人が理不尽に引き離される、こんなことは決してあってはならない事だと思います。

この二人は、戦争で引き離され、お互いが別々の人生を歩むのですが、時が経ち、二人共に幸せになっているように見えます。そこで、ラストシーンですよ。最高のラストシーンの一つと言えるんじゃ無いかと思います。切ないんですよ。本当に切ない。だけど、お互いに納得できるんですよね。もう2度と会えないかもしれない、いや会わないでしょう。映像美と相まって、その決心というか、気持ちがよく伝わる名シーンです。

最後に

まだ見ていない方は、ぜひ一度見ていただきたいと思います。映像美とはこういう事をいうんだろうなと思わせてくれる映画です。