タバコあれこれ−その2–

今回もタバコにまつわるお話をしていきたいと思います。

ネタがタバコですので、未成年の方はご遠慮くださると幸いです。
またこのブログでは喫煙を促進する意図はありません。
タバコは自己責任で成人してから吸いましょう。

小道具としてのタバコ

タバコって、今でこそ嫌われ者ですが、その昔から結構、映画や歌の歌詞小説なんかに小道具として使われていたりします。

特に法律上は子供は吸えませんから、大人の雰囲気やシチュエーションを醸し出すのに非常に役立ったのでは無いかと僕は考えます。

例えば、デスクの上に、吸い殻が山となっている灰皿と仕事をしている人がいれば、めちゃくちゃ忙しいんだなぁと想像できます。

それとは逆に 同じように吸い殻が山となっている灰皿と寝起きの冴えない男だったら、悲しいおひとり様ですね(笑)

余談ですが、実はこれ編集技術のテクニックでモンタージュ技法と言います。絵の繋ぎ方で全く違う意味になると言う事ですね。

女性バーで、ドライマティーニを片手にタバコを燻らせていたりなんかしたら、大人の女性って感じがします。

こんな風に、タバコって小道具として登場人物のキャラクターを間接的に表現できる優れたツールだったんですよね。

ハードボイルド小説なんかだと、小洒落たバーとバーボンウイスキー、それとタバコが欠かせないですもんね(いや、それだけでは無いとは思いますが、あくまでイメージです)

そんなわけで、いろんな作品に登場してきたタバコですが、その中でも印象的な作品をいくつか挙げてみます。

ルパン三世

知らない人はいないと思いますが、言わずと知れた名作中の名作です。今でも続編が作られてますね。

この作品では多くの登場人物がタバコを吸っています。モンキーパンチ先生の原作は大人向けでしたし、当初のアニメも大人向けに作られていますから、タバコは無くてはならないものだったのでしょう。

次元大介

その中でも僕の印象に残っているのは、次元大介の折れ曲がったタバコです。

いつもしわくちゃに折れ曲がったタバコを、大事そうに火を付けて美味そうに吸う姿がカッコよかったなぁ。折れ曲がったタバコを、次元タバコなんて言ってました(笑)

次元が愛したタバコの銘柄はポールモール

ブリティッシュ・アメリカン・タバコ(BAT)が販売していました。もう既に残念ながら販売していません。

僕はポールモールは吸った事がないのですが友人が好んで吸っていました。

そういえば、俳優の石橋凌さんのバンドARB「PALL MALLに火をつけて」という曲もありましたね。


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ルパン

では、主人公ルパンはと言うと、流石に洒落者ですね。フランス製のジタン・カポラルです。

ジタンブルーと言われる鮮やかなブルーに踊り子がデザインされたパッケージがお洒落です。さすがフランスです。

パッケージデザインがカッコ良かったので、吸った事があるのですが、僕は苦手でした。

これはいわゆる黒タバコと言われる発酵、熟成されているタバコヨーロッパで愛されていました。ジタンにしても同じフランスのゴロワーズにしても黒タバコはこんな味が多いのですが、なかなか癖がありました

今吸ったらどうかな?もしかしたら好きになるかもしれないですね。当時は葉巻もパイプもやっていませんでしたから、こう言う味に慣れていなかったのかもしれません。

これ、箱もお洒落なんですよ。普通のタバコの箱と違い横長の箱でした。中央に象徴的に描かれている踊り子はスペインのジプシーの踊り子銘柄のジタンとはそのままスペインのジプシー女を意味するそうです。

ジタンを愛用していた方は多くて、T.REXマーク・ボランジャン・レノジョン・レノンも吸っていたそうです。

そうそう忘れちゃいけません。紅の豚のポルコ・ロッソも吸っています。

庄野真代さんの「飛んでイスタンブールの歌詞にもジタンが出てきます。

 


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残念ながら、このタバコも今となっては買えなくなってしまいました。

銭形警部

ルパンの宿命のライバル?銭方のとっつぁんは何を吸っていたのでしょうか?これはシブいです。日本タバコのSHINSEI(しんせい)です。

これは古いタバコで僕は吸った事はないです。

発売当初からフィルターが無い、いわゆる両切りで、2016年に改良されてフィルター付きとなりました。

いやぁそれにしてもシブい!ルパン三世の原作は1967年連載開始ですから、時代背景的にはこのタバコは当時としては普通のチョイスだったのでしょう。

このタバコはいわゆる旧三級品と言われている製品の一つで安価で買えました。いつもルパンを追いかけている貧乏?警部のとっつぁんによく似合っていますね。

実はこのタバコ、数多くの小説にも登場しています。

その中でもイアン・フレミングの小説ジェームズ・ボンドシリーズ、「007は二度死ぬの中では来日したボンドしんせいを吸っている描写があります。あのジェームズ・ボンドも吸っていたんですねぇ。しかし、作中で、ボンド軽いと言っています。タールが22mgニコチン1.4mgでも軽いだなんて、どれだけヘビースモーカーなんだよって感じですね。

峰 不二子

峰不二子はMoreメンソールです。うん、大人の女って感じですね。茶色い細身のロングサイズで、大人の女性によく似合うタバコです。

時代的に女性がタバコを大っぴらに吸うなんてと言う時代に、峰不二子はカッコ良く、そして色っぽく吸っていました。子供ながらにカッコいい大人の女(ちょっとエッチ?)を感じさせてくれました。

このタバコ、レギュラーは赤いパッケージでメンソールはグリーンのパッケージでした。

これもなかなか癖のある味だった気がします。そう考えると、当時の洋モクは全般的に癖のあるものが多かった気がしますね。と言うより、国産がマイルドだったのかな。

映画の中のタバコ

映画にもたくさんタバコが印象的に使われているものがあります。

カサブランカ

まずは1946年のカサブランカ

ponpoko-kintoki.hatenablog.com

以前紹介した映画ですが、ハンフリー・ボガート演じるリックのタバコを吸っている姿がカッコ良かったなぁ。特にラストシーンが印象に残っています。

イングリット・バーグマン演じるイルザとの別れのシーンでボギーがタバコを燻らせている姿が本当にカッコよかった。

タバコの煙までお芝居をしているみたいでした。

勝手にしやがれ

次は1960年の勝手にしやがれ

ジャン=リュック・ゴダール監督のヌーベルバーグの記念碑的作品です。

この作品では、先ほどのカサブランカのボギーを崇拝する主役のジャン=ポール・ベルモントボギーのタバコの吸い方を真似して吸っています。

やっぱりカサブランカボギーのタバコを吸う姿はカッコ良かったんですね。

吸っている銘柄はわかりませんが、アメリカの銘柄のチェスターフィールドは嫌いだと言うセリフがあります。

今度、この映画も僕のブログでご紹介できればと思います。

ゴッドファーザー

お次はコッポラ監督のゴッドファーザーです。

この映画を見て葉巻=マフィアと言う印象を付けられた方も多いのでは無いでしょうか?だけどこの映画にはさほどタバコを吸っているシーンがあるわけではありません。

PARTⅡでアル・パチーノが葉巻を燻らせるシーンが印象的だったからですかね。

風立ちぬ

面白いところではスタジオジブリ風立ちぬです。

物語が戦前という事もあり、喫煙者が数多く出ています。

それどころか、結核患者である菜穂子の隣で二郎がタバコを吸っているシーンがあります。

今では考えられないですね。喫煙の考え方が現代と全く違う事を描いたシーンだと思います。

逆にこのシーンを今の時代に合わせてしまったら、ちょっと違いますよね。

そういった細かい描写にこだわった宮崎監督の凄さを感じますね。

きっとね、制作途中にも議論はされたと思うんです。このコンプライアンスの時代ですし、表現がアニメですしね。タバコは現代には合わないと言われているはずです。けど、入れてるんですよ。このタバコのおかげで、この時代背景がよくわかりましたもんね。なんせ天皇陛下からタバコが下賜される時代ですからね。タバコという物の立ち位置がよくわかると思います。

他にもタバコが登場している映画はたくさんあります。愛煙家の皆さん、タバコの印象駅なシーンを探すのも面白いですよ。

小説や歌の中のタバコ

もちろん、小説や歌の歌詞にもたくさん使われています。

その中でも僕は、タバコの香りひとつにここまで意味を持たせるのかと驚いた歌が宇多田ヒカルさんのFirst Loveです。


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これを作ったのは彼女が16歳の時ですよ。

女の子が大人の女に成長する間の恋愛を表現したと思うんですけど、タバコの一言で相手が大人だとわかるし、人って、香りでふと思い出す事があるじゃ無いですか?香りってそれだけ印象深いと思うんですけど、この歌はそこまで表現してると思うんですよ。タバコの香りでふと思い出したって。これは凄い表現力ですよね。本当に天才だと思います。

 

今の時代、タバコを使った表現がますます無くなると思いますし、もうこう言ったタバコを使った表現がわからなくなって来ちゃうかも知れません。それどころかタバコの存在そのものが無くなって行くかもしれません

愛煙家の僕としては本当に寂しい限りですが、これも時代の流れと諦めるしか無いのかも知れませんね。

だからこそです。

愛煙家の皆さん、タバコはマナーを守って吸いましょう!

次回は、タバコの広告について書ければと思います。

では!