5:映画を見ようー火垂るの墓ー

台風直撃されている地域の皆様、大丈夫でしょうか。先程から、テレビで台風被害情報がガンガン報道されています。こんな時にブログだ、何だと言うのも不謹慎かもしれませんが、

今日は終戦の日です

どうしてもこの映画だけは、この日にアップしなければならないと思いアップさせていただきます。

 

火垂るの墓

1988年公開の日本映画(アニメーション)
監督・脚本:高畑 勲
原作:野坂昭如
出演(声の出演)
清太:辰巳 努
節子:白石彩乃

勝手な感想

今回は、皆さん知っていると思いますので、あらすじは無しにします。

言わずと知れたスタジオジブリの作品です。この映画を見て涙した人は多いことと思います。

僕も、初めて見た時から泣きましたし、そのうち、サクマドロップの缶を見るだけでうるっときました。

この作品は原作の野坂昭如自身の戦争体験を題材としたと言われていますね。

この作品については、もうすでに様々な考察や、解説が出ていると思いますので、ここでは、あえて書かないようにします。
ただ、最近、清太が悪いと言う考察を見るようになりました。ちょっとそれが気になりましたので、自分なりの考えを書かせていただきます。

清太が悪い?

ここ数年、この作品がO.Aされる事は無くなりましたね

生々しい描写が今の時代に合わなくなっている事もあると思います。あまりに悲惨過ぎますもの。あえて、好き好んで視聴者もこう言う作品を見たいと思わなくなったと言う事でしょう。

僕も、子供にこの作品を薦めるかといえば、薦めないと思います。戦争の悲惨さを伝える事は大切な事です。本当に、大切な事です

では、なぜ薦めないかと言うと、それは清太が悪いに繋がります。

僕も、初めてこの考察を見た時は、何を言っているんだろう?と思いましたよ。可哀想なものは可哀想じゃんって思いました。清太と節子の周りの大人は何をやってるんだとも思いました。

しかし冷静に考えてみると、この作品の悲惨さは、清太と節子の悲しい結末じゃないんじゃないかって思えたのです。結果として二人の兄妹の悲しい結末がありましたけれども、それ以上に現代の僕達に通じる危うさを示唆しているのではないかと考えたのです。

清太は悲しいけれど、まだ子供だった

清太は14歳です。今で言う中学生です。一番大人になるために背伸びをする時期です。

反抗期もあるでしょう。厨二病なんて言葉もあるくらいですから。

清太は、自分の置かれている状況、立場と言うものを理解できなかったと思うのです。

そりゃそうでしょう。空襲で親を失い、今までの生活が全く無くなってしまうのですから。

大人だって、理解できないですよ。誰を恨んでもどうしようもない状況無理やり置かれてしまったのです。

そんな、まだ考え方が子供の清太が、遠縁の叔母さんと暮らしたってうまく行くはずありませんよ。だって、みんな大変なんですものみんな余裕なんて無いんですもの

そこで、清太の反抗期も手伝って、自分の理想ばかりを夢見てもうまく行くはずありません

当たり前の話です。

清太は、叔母さんの家を出てからも、働いていません食べ物が無くて畑に盗みに入るなら、頭を下げて働かせて貰うべきですよ。本当に大事な妹、節子の事を思うならね

別荘にやって来たお金持ちを見て羨ましがるくらいなら、仕事を探すなり、叔母さんに頭を下げるべきですよ。でも清太はしなかった

こういった清太の行動で、清太が悪いと言う考察に繋がると思うんですが、僕は、理不尽な不幸としか見れなくなってしまいました。

単純に清太が悪いと言うのは簡単です。だけど、まだ14歳ですよ。成長途中です。これから、いろんな大人から学んでいく大切な時期でもあるわけですよね。子供だからこその短絡的な行動を取って、自分の道を狭めている。本来ならば、なり、教師なり、周りの大人道を指し示してくれる、教え導いてくれる年齢なんですよ。

僕が言う理不尽な不幸と言うのは、清太の周りにそういった大人が一人も居なかった、居なくなってしまった。それも空襲という、自分ではどうしようもない事で

本当に、戦争って理不尽です。このような理不尽な不幸を背負って死んでしまった子供たちが当時は沢山居たんでしょうね。この清太の行動も、今となってはわからないでもないです。

敗戦を迎え、戦争孤児がたくさんいました。この戦争孤児たちを施設に入れる為の、いわゆる戦争孤児狩りが頻繁に行われたそうです。この時、ある噂があったそうです。捕まったらアメリカの奴隷になって、アメリカに送られると。

戦争孤児を収容するための孤児院劣悪な環境だったそうです。情報の少ない当時の事です。大人に捕まったらどう言う事になるか子供たちは、抵抗したんだと思います。もはや信じられない大人達に

清太もその一人だったのではないのでしょうか。

子供には見て欲しくない

僕は自分の子供に、この作品を見て欲しくないんです。

大人になって、大人から子供たちに教え導かなくてはいけない事を解るようになってから見てもらいたいのです。

だって、ジブリだから、アニメだからってこの悲惨な作品を見せたら、トラウマになりますよ。節子可哀想で終わっちゃいます。

この作品はそれだけで終わってはいけないと思うのです。

この作品は、大人である我々がしっかりと見るべき作品だと思います。子供たちが理不尽な不幸を背負わないように、理不尽な不幸を背負っても生きて行けるようになる事を教える為にもね。

先人達の為にも

現代の我々は、自由民主主義の元で生活をしています。これは、戦い敗れた先人達のおかげだと思います。日本を守る為に戦った先人達の信じた国の在り方とは違うかもしれません。しかし、この国は豊かになり、自由を手に入れる事が出来ました。少なくとも、笑って過ごせる国になりました。飢えて死ぬ子供も居なくなりました(戦時中に比べてと思ってください。正直、今のこの国も色々と問題は山積みだと思います)

この生活を続けるのが、我々大人の役目だと思います。理不尽な不幸をなくす為にも、我々大人が責任を持って、国を見ていかなければならないのです。それが、我々大人の義務だと思いますし、責任だと思います。

戦時中と違い、今の我々には、その手段があるわけですからね。

最後に

今回は、映画の話というか、映画を通して戦争の事を考えるという風になってしまいました。違う方向に話が行ってしまいましたね。すみません。

ロシアとウクライナの戦争台湾海峡北朝鮮中国の覇権主義など、今の日本を取り巻く状況は、どちらに転がってもおかしくないと思っているからなんですけど、やっぱり、戦争はダメですよ。

僕は、武力の無い話し合いは、全く意味が無いと思っております。武力があるからこそ、相手も聞く耳を持つと思っております。相手が武力を背景で来るならね

現実的に武力を背景に言ってくる国ばかりじゃ無いですか

我々は、その武力を使わせないように監視をしなければいけないのです。

どこかの批判の為の批判ばかりしている、頭がお花畑の変な政党の先生方は、憲法9条を守れ!と声高に言っていますが、その為に、理不尽な不幸を、国民が受けたらどう言い訳をするんでしょうかね?

僕は、決して戦争肯定論者ではありません。ただ、この国を守りたいのです。
震災、自然災害、パンデミックと現在の日本人は、正直余裕が無くなっています日本人の美徳である部分が失われて行っていると感じます

だからこそ、原点に立ち返りましょう!もう二度とあんな理不尽な不幸を子供達に受けさせない為に。我々大人が出来ることはたくさんあるのではないでしょうか。

もう一度、この作品を見て、考えてみましょう。